2021年7月6日
先月公布された改正特定商取引法のうち、売買契約に基づかないで送付された商品に係る改正規定(特定商取引法第59条及び第59条の2)が本日7月6日から先行して施行されます。
消費者被害の防止及びその回復の促進を図るための特定商取引に関する法律等の一部を改正する法律(令和三年法律第七十二号)
特定商取引に関する法律
新旧対象条文
消費者被害の防止及びその回復の促進を図るための特定商取引に関する法律等の一部を改正する法律の概要(消費者庁)
チラシ「一方的に送り付けられた商品は直ちに処分可能に!!」[PDF:662KB] (令和3年6月29 日)(消費者庁)
売買契約に基づかないで送付された商品に関するQ&A(消費者庁)
本改正の趣旨は以下の通り(消費者庁)
消費者の脆弱性につけ込む悪質商法に対する抜本的な対策強化、新たな日常における社会経済情勢等の変化への対応のため、特定商取引法・預託法等の改正による制度改革によって、消費者被害の防止・取引の公正を図る。
本改正は公布後1年以内の施行ですが、コロナ禍に便乗して、マスクを勝手に送りつけ後で代金を請求するなど、いわゆる「送りつけ商法」が相次いでいることなどから、一部規定の先行施行となります。
改正前は14日間の保管義務などで消費者に負担を強いる面がありましたが、本日からは身に覚えがない商品については即日処分が可能です。
例えば、注文した覚えもないのに勝手にマスクが送られてきて請求書が同梱されていたような場合、これまでは14日間は処分できず手元に保管しておく必要があったのですが、本日からはすぐに開封して使用したり、人にあげたり、ゴミとして捨てることができるようになります。
仮に業者から連絡がきて、処分したのなら代金を支払うよう要求されても拒否することができます。またもし間違って支払ったとしても返還請求することが可能です(困った場合は弊所や消費者ホットライン(188番)に連絡を)。
本改正法の施行によって業者はいわば「送り損」になるため、今後「送りつけ商法」は沈静化していくことでしょう。
なお、届いた商品を処分するときはしっかりと宛先のご確認を。誤配送という可能性もありますし、家族の誰かが注文したものかもしれません。