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[施行] 4月1日施行・離婚後の新ルールまとめ

2026年4月1日新着

【ニュースの概要】

 本日、2026(令和8)年4月1日より改正民法等が施行され、「子どもの利益の確保」を主眼として、離婚後の子どもの養育や財産の清算に関するルールが大きく変わりました。主な改正のポイントは以下の4点です。

1.「共同親権」の導入
 離婚後は「単独親権」のみとする従来の制度が見直され、協議離婚の場合は父母の協議により「単独親権」か「共同親権」かを選択できるようになります。ただし、DVや虐待の恐れがあるなど子どもの利益を害する場合は、必ず「単独親権」となります。
 共同親権を選択した場合でも、日常の世話をする「監護者」を一方に定めたり、急迫の事情がある場合や日常の行為については単独で親権を行使できるなど、子どもの生活に支障が出ない運用ルールが整備されています。
  (参考)法律よもやま話(その23)間もなく始まる共同親権制
 なお、施行前に離婚し単独親権となっているケースでも、家庭裁判所への申立てにより共同親権への変更を求めることは可能です。ただし、これまでの経緯や現在の状況変化、子どもの利益などを裁判所が個別に厳格に審査するため、申立てれば必ず変更できるというものではありません。

2.「養育費」の支払い確保ルールの強化 
※2026年4月1日以降の離婚に適用
 取り決めをせずに離婚した場合でも、子どもを監護する親は他方に対して、暫定的な「法定養育費(子ども1人当たり月額2万円など、法務省令で定める額)」を請求できる制度が創設されました。これはあくまで暫定的な措置であるため、最終的には協議や裁判で適正額を決めることが推奨されます。
 また、養育費の請求権に他の債権より優先して弁済を受けられる「先取特権」が付与されました。これにより、子1人当たり月額上限8万円程度の範囲において、従来は必須であった「債務名義(公正証書や調停調書など)」がなくても、離婚協議書などの「私的な文書(合意書)」さえあれば、給与の差し押さえ等の強制執行の申立てが可能となる特例が設けられました。

3.「財産分与」の請求期間の延長(2年→5年) 
※2026年4月1日以降の離婚に適用
 夫婦で築いた財産を分ける「財産分与」の請求期限が、これまでの「離婚の時から2年」から「離婚の時から5年」へと大幅に延長されました。これにより、離婚直後の混乱期を過ぎてからでも、落ち着いて財産清算の手続きを行うことが可能になります。

4.「年金分割」の請求期間の延長(2年→5年) 
※2026年4月1日以降の離婚に適用
 民法の財産分与の期間伸長に歩調を合わせる形で、婚姻期間中の厚生年金記録を分割する「離婚時の年金分割」についても、請求期限が現行の「2年」から「5年」に延長されます(厚生年金保険法第78条の2)。

 

【関連条文】

■ 民法 第819条(離婚又は認知の場合の親権者)

1 父母が協議上の離婚をするときは、その協議で、その双方又は一方を親権者と定める。
2 裁判上の離婚の場合には、家庭裁判所は、父母の双方又は一方を親権者と定める。
3〜(略)

■ 民法 第824条の2(親権の行使等)

1 親権は、父母が共同して行う。ただし、次に掲げるときは、その一方が行う。
 一 その一方のみが親権者であるとき。
 二 他の一方が親権を行うことができないとき。
 三 子の利益のため急迫の事情があるとき。
2 父母は、その双方が親権者であるときであっても、前項本文の規定にかかわらず、監護及び教育に関する日常の行為に係る親権の行使を単独ですることができる。
3 (略)

※共同親権を選択した場合でも、DVや虐待からの避難、緊急の手術といった「急迫の事情(第1項三号)」や、日々の食事・服装の決定、通常のワクチン接種などの「日常の行為(第2項)」については、相手の同意を得ずに単独で親権を行使できることが明文化されています。

■ 民法 第819条 第7項(離婚又は認知の場合の親権者)

7 裁判所は、第2項又は前2項の裁判において、(中略)次の各号のいずれかに該当するときその他父母の双方を親権者と定めることにより子の利益を害すると認められるときは、父母の一方を親権者と定めなければならない。
 一 父又は母が子の心身に害悪を及ぼすおそれがあると認められるとき。
 二 父母の一方が他の一方から身体に対する暴力その他の心身に有害な影響を及ぼす言動(次条において「暴力等」という。)を受けるおそれの有無(中略)その他の事情を考慮して、父母が共同して親権を行うことが困難であると認められるとき。

※家庭裁判所が親権者を定める際、虐待の恐れ(第一号)や、DVの恐れなどで共同して親権を行うことが困難な場合(第二号)は、共同親権を選択することはできず、必ず「単独親権」としなければならないという重要な例外規定です。

■ 民法 第766条の3(子の監護に要する費用の分担の定めがない場合の特例)

1  父母が子の監護に要する費用の分担についての定めをすることなく協議上の離婚をした場合には、父母の一方であって離婚の時から引き続きその子の監護を主として行うものは、他の一方に対し、離婚の日から、次に掲げる日のいずれか早い日までの間、毎月末に、その子の監護に要する費用の分担として、(中略)子の数に応じて法務省令で定めるところにより算定した額の支払を請求することができる。(以下略)
 一 父母がその協議により子の監護に要する費用の分担についての定めをした日
 二 子の監護に要する費用の分担についての審判が確定した日
 三 子が成年に達した日

■ 民法 第306条(一般の先取特権)

次に掲げる原因によって生じた債権を有する者は、債務者の総財産について先取特権を有する。
三 子の監護の費用

■ 民法 第308条の2(子の監護費用の先取特権)

子の監護の費用の先取特権は、(中略)子の監護に要する費用として相当な額(〜法務省令で定めるところにより算定した額)について存在する。(以下略)

■ 民法 第768条(財産分与)

2 前項の規定による財産の分与について、当事者間に協議が調わないとき、又は協議をすることができないときは、当事者は、家庭裁判所に対して協議に代わる処分を請求することができる。ただし、離婚の時から五年を経過したときは、この限りでない。

 

【関連サイト】

※実際の離婚・養育費・親権に関する手続きは個別事情によって大きく異なります。DVや虐待の恐れがある場合は特に慎重な対応が必要となるため、専門家(弁護士)や家庭裁判所への早期のご相談をおすすめいたします。

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