民法162条1項の20年の長期時効取得も、2項の10年の短期時効取得も、共通の要件は、他人の土地を「占有」することです。
この「占有」の意義について、最高裁昭和46年3月30日判決は、「(取得時効において)一定範囲の土地の占有を継続したというためには、その部分につき、客観的に明確な程度に排他的な支配状態を続けなければならない。」と判示しています。
具体的には、建物の敷地として使用する、塀で取り囲む、田畑として耕作する、といった例が考えられます。
ただし、建物の敷地として使用する場合について、屋根の軒先、ベランダ、出窓等の空中設置物を設置しても、その下の敷地を占有したとは認められないとした判例(東京地裁平成19年10月16日判決)があります。