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26.境界確定訴訟において、公簿面積比はどのように考慮されるのですか。

 当事者双方が主張する自己の所有する地番の土地の範囲を実測し、これをそれぞれの登記簿上の地積(公簿面積)と比較することにより、係争部分がいずれの地番の土地に属するとみるのがより整合的かを判定します。比較的重要な境界線の認定方法とされています。
    ただし、公簿面積は、明治6年に地価台帳制の施行された際に実測されたものが多く、当時の測量技術が未熟だったり、地価台帳制が徴税を目的としていたため、実際の面積よりも少な目に申告した面積がそのまま公簿面積とされたものが多く(いわゆる「縄延び」)、公簿面積が実測面積と異なる場合が少なくありません。とりわけ、山林の公簿面積は余り信用できないとされています。
    これに対し、近年になってから正確に測量した上で分筆によって切取られた土地については、実測面積と一致する場合が多いので、そういう土地の公簿面積は正確ですが、その残地は不正確である場合が多いと言えます。
    また、分筆の経緯等によっては、問題となる地番の土地のみではなく、その周辺の土地の公簿面積と実測面積との関係を含めて考慮する必要があります。

| 2016年12月29日
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