法律よもやま話

(その25)変わる成年後見

2026年8月6日新着

1 成年後見制度は、認知症などのために判断能力が低下した人に代わって、家庭裁判所から選任された後見人等が本人の財産管理や契約の締結に関与するという制度で、2000年にそれまでの禁治産制度に代わって施行されました。

2 現行の成年後見制度は、本人の判断能力の程度に応じて、後見(判断能力を常に欠く場合)、保佐(判断能力が著しく不十分な場合)、補助(判断能力が不十分な場合)の3つのタイプがあり、タイプ毎に後見人等の権限に差異を設けて、本人のニーズに対応してきました。

3 しかし、この制度については、①後見では、後見人が包括的な代理権や取消権を有し、本人の自己決定が必要以上に制限される、②後見や保佐では、本人の判断能力が回復しない限り利用をやめることができない、③後見人等の交代が困難で、本人がニーズに合った保護を受けることができない、といった問題点が指摘されていました。

4 そこで、先の特別国会において、成年後見制度の内容を大きく変更する民法等の一部を改正する法律が成立しました。主な変更点は、以下のとおりです。

①の問題点については、本人に必要な事項について代理権・取消権を付与する補助の制度に一元化し、後見・保佐は廃止されることになりました。

②の問題点については、利用の必要がなくなったときに制度利用を終了することができるようになりました。

③の問題点については、補助人の解任事由に「本人の利益のために特に必要があるとき」が追加され、例えば、補助人が本人との面談を行わないために本人が適切な保護を受けられないときなどにも解任できるようになりました。

5 改正法は2028年の夏以降に施行される見込みですが、補助に一元化された新しい制度が、判断能力が衰えた人の生活をサポートするものとして、どのように機能していくのか、注目されます。

井奥圭介

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