弁碁士の呟き

私と囲碁(70)山本碁会と白石裕9段

| 2024年7月5日

 山本良一さんは私の師匠山本治雄弁護士の兄で、大規模な農園を営む傍ら茨木市の市会議員を務められた方であるが、平成23年(2011)末頃、ご子息の作治郎さんから、月1回日曜日に山本家別宅で碁会を開き白石裕9段の指導を受けているとのお誘いを受け喜んで参加することとした。

 白石9段は、名人戦と本因坊戦のリーグに各3回在籍、関西棋院第1位、第1回棋聖戦9段戦で優勝の実績を残したトップ棋士であり、門下生に森野節男、山崎吉廣各9段などがおられる。白石京子4段はお子様である。

石井9段の3面打ち

 早速平成24年(2012)1月15日に山本さん宅に伺ったところ、茨木市や吹田市の市役所関係の7段から4段の打ち手が10人ほどおられ、白石9段から3面打ちの指導を受けていた。私は以前10年前に一度同9段に3子の指導碁を受けたことがあったが、今回は2子局でお願いし、大石を取られ投了した。翌2月の対局は何とか勝利を得たが、その翌日同9段は71歳の誕生日の前日に引退されたのだった。

 その後も毎月のように指導を受け、平成26年(2014)7月までに18局の棋譜が残されている。結果は7勝11敗だったが、3面打ちであったこと、無理をせず難解な局面を避けられた節もあり、善戦できたことで私に自信らしいものを与えてくれたのではと感謝している。

 山本囲碁会では、殆どの対局は指導碁だったが、一度高槻の二料山荘で合宿した際には、7段格と6段3人・4段2人と6局も打ち、打ち分けだった。

 白石9段が棋士引退の後、平成24年(2012)7月1日に、先生の功績を讃え慰労する引退記念会が爛柯囲碁俱楽部で開催され、大勢のプロアマが参加して盤を囲んだ。私はプロ8段の方の2面打ち指導碁を受けたが、白の大石を召し取る望外の結果であった。

 先生は平成29年(2017)12月10日に76歳で逝去され、山本囲碁会も幕を閉じた。 (2023.12.2)

赤沢敬之

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