弁碁士の呟き

私と囲碁(75)生涯対局を目指して

| 2024年9月6日

私は87歳、来年2月には米寿を迎えることとなった。この節目を機に、「私と囲碁」にまつわる思いを皆さんと共有したいと思う。

 囲碁との出会いは私の人生において欠かせないものとなった。若き日、初めて碁盤に向かった頃は未知の世界そのものであった。しかし、その深淵なる魅力に引き込まれ、私の人生は囲碁とともに歩んできたと言っても過言ではない。

 囲碁は単なる娯楽に留まらず、私にとって人生の指針ともなった。弁護士としての本業においても、囲碁を通じて養った思考力や先見の明が大いに役立った。無限の可能性を秘めた盤上での戦いは、私にとって時間の浪費ではなく、むしろ頭の体操としての意味合いが強く、日々の生活に刺激を与えてくれている。

 もちろん、私の趣味は囲碁だけではなく、クロスワードや数独も脳を活性化させ、新たな発見を与えてくれる楽しみとなっている。これらの活動が、私の精神的な健康に寄与していることを感じている。

 そして何よりも、囲碁を通じて築いた交友関係は私の宝である。対局相手との一局が深い絆となり、時には人生の助け舟ともなってくれた。歳を重ねる中で大切な友情が芽生え、それが私にとっての貴重な宝物となっている。

 人生には様々な試練があり、これまでに胃がん、左眼黄斑変性症、脊柱管狭窄症など健康の波に乗り越えるべき山があったが、まだまだ元気でいられることに感謝し、これからも前向きな気持ちで毎日を過ごしていきたいと思っている。

 そして、私の願いは生涯対局を目指すことである。これからも囲碁の対局を通じて、新たな発見や喜びに出会い、心豊かな日々を送りたいと心から願うものである。 (2023.12.20)

赤沢敬之

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