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事務所のこと | 2022年5月2日
こんにちは!ニュースレター担当の赤澤秀行です。
先日5月1日に弊所手作りニュースレターGW号(第11号)をお届けいたしました。
弊所のニュースレターはこれまで当事務所とご縁のあった方々にお送りしております。うちに来てないよ、という方はどうぞご一報ください。
今回は前回好評(?)の漫画「ひでさん」の主人公ひでさんが私のアバターとして登場し、楽しく相続・終活情報をお届けする相続・終活専門マガジン「相続アドバイザーひでさんの楽しい終活通信」を同梱しました(今後不定期に発行予定^^)。もちろん漫画も引き続き掲載しております。ぜひお楽しみください。
表面はひでさんの近況とマンガ
裏面は相続・終活に役立つ情報
次号は9月1日に残暑号をお送りする予定です。どうぞお楽しみに!
なお、「読者の広場」コーナーでは、投稿を募集しています。ニュースレターの感想やご意見ご質問どしどしお送りください。その他、俳句、川柳、似顔絵なんでもどうぞ!(*^^*)
ニュースレターより | 2022年2月15日
サン・ピエトロのピエタ(ヴァチカン美術館所蔵) 撮影:赤澤秀行
最近ではTVタレントのような弁護士も多い中、
映画「MINAMATA」を観るまでは。
昨秋に大阪でロードショーを観たときは終始静かな涙が止まらない
特にクライマックスであの有名な「
映画「MINAMATA」
(ニュースレター2022年新年号より)
ニュースレターより | 2022年2月14日
写真①(チッソ水俣工場)
昨年の秋、映画「パイレーツ・オブ・カリビアン」などで有名なアメリカの俳優ジョニー・デップが自ら企画し主演をした映画「MINAMATA」が日本で上映されました。
この映画は、水俣病患者の写真集を撮影したアメリカの写真家ユージン・スミスの伝記映画ですが、それを見た当事務所の赤沢秀行行政書士がいたく感動し、たまたま私が水俣病の弁護団で活動していることから、是非、事務所ニュースで水俣病の特集をしたいと言ってくれ、この企画となりました。
それでは、私が知っている水俣病のことについてお話しします。
水俣病とは、熊本県水俣市にあるチッソ株式会社の工場(写真①)が排出した廃液に含まれるメチル水銀によって汚染された魚介類を摂取することで起こる健康障害のことをいいます。
水俣病の原因であるメチル水銀は、体内に摂取されると主に脳細胞に作用し、様々な障害を与えます。
発生当初は、手足が曲がったりけいれんを起こしたり錯乱状態となり発病から数週間で亡くなってしまう重症の患者も多数いました。皆さんも、テレビなどで、体を小刻みにふるわせる女性の患者の映像を見られたことがあると思います。
しかし、今現在、水俣病で苦しんでいる患者の多くは、慢性型の水俣病で、一見、普通の人と変わりませんが、以下のような様々な症状や日常生活の不便を抱えています。
・手足の先がしびれる。怪我をしても痛くない。やけどをしても熱くない。
・手の感覚がなく物を落としてしまう。字を書けない。
・手がふるえて、ボタンをかけられない。
・まわりが見えにくくなり、ふすまや壁にぶつかる。
・つまずきやすい。ふらつく。
・手や足がつる。
昭和25年ころから、水俣湾沿岸地域で魚が大量に浮上したり、猫が狂い死にするなどの現象が見られるようになりました。
当初、原因は分からず、奇病や伝染病として地元では怖れられていました。
昭和31年5月1日、チッソ水俣工場付属病院の院長が、原因不明の中枢神経疾患が発生したことを水俣保健所に届け出ました。この日が、水俣病の公式確認の日にあたります。
当時、水俣病の原因となるメチル水銀は、チッソ水俣工場で化学製品の原料(アセトアルデヒド)を製造する工程で生成され、それが工場廃水に含まれた状態で不知火海に排出されていました。不知火海に流されたメチル水銀は、食物連鎖を通じて魚介類の体内で蓄積されていき、その汚染された魚介類を地域住民がたくさん食べたことによって、水俣病という深刻な公害病が広がることとなりました。
メチル水銀による汚染は、老若男女を問わず地域住民のすべてに及び、さらには、まだ生まれていない胎児にまで被害を及ぼしました。
水俣病が公式確認された後も、チッソは、メチル水銀を含んだ工場排水を流し続け、多数の水俣病患者が発生し続けることとなりました。
このような中で、一部の患者と親族が水俣病患者家庭互助会を結成して補償を求めましたが、結局、昭和34年の年末、死者でも30万円程度の見舞金契約の締結を強いられました。
その後、チッソは、昭和43年5月にアセトアルデヒドの製造をやめ、その4ヶ月後の昭和43年9月に、国は、ようやく水俣病がチッソ水俣工場の廃液を原因とする公害であったことを認めました。
その後も互助会とチッソとの間で交渉が続きましたが、当時の厚生省が設置した第三者機関は、患者側に対し、同機関が出した結論に一切の異議を述べないという白紙委任状の提出を求めました。
このような手法に応じることができないとして、裁判所での解決を求めて昭和44年6月に提起されたのが、水俣病第一次訴訟です。
昭和48年3月の熊本地裁判決では、チッソの責任を明確に認め、1600~1800万円の賠償を命じました。
第一次訴訟の判決を受けて、チッソと患者団体との間で、補償協定が締結されました。補償内容は、一時金1600~1800万円、その他に医療費、年金、葬祭料等の支給が定められました。そして、この補償協定は、その後に認定される被害者にも適用されることが約束されました。
そこで、多くの患者が、補償を受けるために熊本県や鹿児島県に公害病の認定を申請する事態となりました。
しかし、認定申請が急増したため、国は、昭和52年に、水俣病と判断する条件を厳しくし、それまでは1つでも症状があれば水俣病と認めたのを、複数の症状がないと認めないようになりました。
そこで、被害者らは、国の姿勢を変えるため、昭和55年に、チッソだけでなく、国や熊本県も被告にして第三次訴訟を起こしました。この第三次訴訟は、熊本のほか、大阪、京都、東京など全国各地で起こされ、各地裁で勝訴判決が言い渡されました。
そのような状況の中、ようやく国も重い腰を上げ、平成7年に、合計1万人を超える被害者に国、熊本県やチッソが補償することを条件に水俣病問題を解決する「95年政治解決」がはかられました。
しかし、唯一、政治解決を拒み、大阪で裁判を続けた水俣病関西訴訟の原告は、平成16年に最高裁で勝訴判決を勝ち取りました。その判決では、国の水俣病の認定基準が事実上否定されました。
そこで、被害者は、国の認定基準が緩和されることを期待して県に公害病の認定を申請しましたが、認定基準は依然として厳しいままでした。
そこで、被害者が、裁判所に最後の望みを託して、平成17年に起こしたのがノーモア・ミナマタ訴訟です。この訴訟は、熊本のほか、大阪、東京、新潟でも起こされ、私が弁護団の一員として加わったのが大阪の訴訟でした。私と水俣病との関わりはここから始まりました。
このノーモア・ミナマタ訴訟は、平成23年に勝利和解により解決するとともに、国に水俣病被害者を救済するための特別措置法を制定させるという大きな成果を勝ち取りました。
しかし、特別措置法には居住地(写真②)や年代の制限があったために救済されなかったり、そもそもそのような制度があることを知らず申請できなかった多くの被害者がまだ存在します。そのような取り残された被害者を救済するために現在も続いているのがノーモア・ミナマタ2次訴訟です。
写真②(天草の倉岳山頂からの眺望) 緑矢印の下辺りが水俣。海上に引かれた赤線の向こう側は水俣病特措法の対象地域、手前は非対象地域。この線のどちら側に住んでいたかで救済されるかどうかが左右されることに、被害者は「海に線は引けないはず」と強く反発している。
写真③(ノーモア・ミナマタ第2次訴訟提訴(前列左端が筆者))
大阪では平成26年から始まったこの訴訟(写真③)は、今、大詰めの原告本人尋問が行われており、今年中には結審を迎える見通しです。
以上、水俣病の歴史は、大変複雑で、一つ新しい救済制度が出来ても、その不備のために救済されずに取り残される被害者が生じるという“イタチごっこ”を繰り返してきたことがお分かりいただけたと思います。
水俣病が公式確認されてから既に65年以上が経つというのに、まだ被害者が救済を求めて裁判を続けているというのは大変悲しいことです。何とか水俣病を解決するために皆さんの声を政府に届ける手段として、弁護団では、現在、ネット署名に取り組んでいます。案内のチラシを同封しますので、よろしければ、ご協力ください。
(ニュースレター2022年新年号より)
案内チラシはこちら
事務所のこと | 2022年2月8日
今日2月8日は弊所所長の赤沢敬之弁護士の86歳の誕生日。
今年は珍しく所内でケーキを用意、誕生日をお祝いしました。
人生100年時代を地で行く赤沢所長。
体力はさすがに若い頃のようにはいかないようですが、気力はまだまだ衰え知らずです。
相談案件、裁判案件もいくつかかかえ、毎日遅くまで仕事に励んでおります。
もちろん、ライフワークの囲碁の研究にも余念がありません。
一説には囲碁の合間に仕事をしているという噂もありますが(笑)
ともあれ、86歳の今日も元気に現役でがんばっております。
ちなみに、明日2月9日は井奥弁護士の誕生日でありまして一緒にお祝い。
井奥弁護士と赤沢弁護士は同じねずみ年で、ちょうど2周りの年の差です。
ということは井奥弁護士もあと20年は現役で仕事に励むことになりそうですね。(^o^)
今後とも赤沢・井奥両弁護士ともども弊所を宜しくお願いいたします!
ニュースレターより | 2022年1月29日
日の出〜鳴門から淡路島を臨む
明けましておめでとうございます。新しい年を迎え、所員一同今年も心を新たに仕事に取り組みたいと念じています。どうかよろしくお願い申し上げます。
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さて、過ぐる年は、前年に引き続き新型コロナウィルスの全世界への感染拡大による社会・経済・生活への計り知れない被害をもたらした1年でした。そしてその勢いは昨年末にやや沈静化したのも束の間、異種株オミクロンの発生により新年度の第6波が懸念される状況です。
こうした中で、私たちの世界は、地球温暖化による自然災害の頻発や格差拡大と貧困化の増大、独裁権力者の横暴と戦争の恐怖など負の言葉が数多く並びます。それだけに安全・安心の平和な世界の実現に向けて、私たちはそれぞれの立場や能力を生かして力を尽くすべき時だと思います。
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私事にわたりますが、私は昨年6月、日弁連から「法曹在職60年表彰」を受けました。
「人権の擁護と社会正義の実現を使命としてたゆまざる努力を重ねてこられまた司法制度の改善発展のため多大なる貢献をされました」との表彰状にふさわしい活動をしたとはとても言えませんが、60年もの間、少なくとも弁護士の使命を果たそうとの思いを常に自戒しながら行動を続けてきたことは確かでした。残り僅かな余生もこの心掛けを守り、人々のために寄与できればと念じています。
皆様方のご健勝ご自愛をお祈りし、新年のご挨拶といたします。
二〇二二年 元旦 (弁護士 赤沢敬之)
(ニュースレター2022年新年号より)
事務所のこと | 2022年1月29日
こんにちは!ニュースレター担当の赤澤秀行です。
第6波のオミクロンが猛威を振るう新型コロナ。無症状の濃厚接触者の待機期間を巡っては政府の対応が後手後手に回って、社会的な混乱が収まらない昨今。一方で、ご高齢の方や基礎疾患のある方にとっては、まだまだコロナは油断ができないのも事実でしょう。
そんななかですが、弊所の手作りニュースレター、目標の第10号をお正月に発行させていただきました!今回は今までの2倍の大増ページでお届けしております!特に水俣病の特集記事については力を入れております。署名をお願いするチラシも同梱しておりますので、どうぞご協力をお願いできればと思います。
弊所のニュースレターはこれまで当事務所とご縁のあった方々にお送りしておりますので、うちに来てないよ、という方はどうぞご一報ください。
次号は5月のGW前にお送りする予定です。どうぞお楽しみに!
なお、「読者の広場」コーナーでは、投稿を募集しています。ニュースレターの感想やご意見ご質問どしどしお送りください。その他、謎解き、川柳、似顔絵なんでもどうぞ!(*^^*)