事務所便り

アーカイブ:2023年

近況報告

| 2023年9月12日

弁護団の一員とし9年にわたって取り組んできたノーモア・ミナマタ第2次近畿訴訟の判決がいよいよ9月27日に大阪地裁で言い渡されることになっており、今はそれに向けての準備に追われています。

私にとっては、酷暑の夏に続く“熱い秋”になりそうです。(弁護士 井奥圭介)

鹿児島、城山にて

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(ニュースレター令和5年残暑号より)

井奥圭介

灼熱の夏 白浜行き

| 2023年9月11日

今年もまた、恒例の家族一同12名 (私夫婦、子3人と配偶者2人、孫5人) が8月10日から13日にかけて白浜の会員制マンションに出かけてきました。

毎年お盆前の白浜海岸の花火大会見物がメインイベントの一つなのですが、 今年は太平洋沖で発生し紀伊半島を目指して北上中の大型台風7号の進路と速度によっては、中止の可能性大で、 そもそも旅行自体ができるのかともどかしい日々でした。

しかし、幸いにも台風の進行速度が遅くなり、10日午後新大阪から特急「くろしお号」で無事白浜に到着、同夜、4年ぶりに開催された海上花火3000発の連射を楽しむことができました。

そして孫たちの海水浴やアドベンチャーワールドのイルカショー見物、 なによりも温泉でのくつろぎなど無事3日間を過ごし、13日に帰阪したのですが、この間台風はなおゆっくりと紀伊半島に向かい、ようやく8月15日未明に潮岬に上陸しました。

まさにスリルに満ちた自然との共生でした。(弁護士 赤沢敬之)

白浜宿泊先の玄関前にて

(ニュースレター令和5年残暑号より)

赤沢敬之

知られない善意

| 2023年9月8日

残暑お見舞い申し上げます。例年にも増して猛暑の夏が終わろうとしていますが、皆様、いかがお過ごしでしょうか。

さて、我々弁護士の仕事に「刑事弁護」と言って、犯罪を犯した(正確には、犯罪を犯した疑いをもたれた)人の処罰を少しでも軽くするために活動する分野があります。

私は、刑事弁護をそれほど多く手がけているわけではありませんが、弁護士会が運営している刑事当番弁護士に登録されているので、年に何件かは刑事弁護事件を受任することがあります。といっても、私に回ってくるのは、殺人などの重大事件ではなく、窃盗や傷害などの比較的機微な事件がほとんどです。その中でもかなりの頻度であたるのが覚せい剤を使用、所持することを罰する覚せい剤取締法違反の事件です。

6月のとある金曜日の当番日にあたった事件もそんな覚せい剤取締法違反の事件でした。被疑者(仮に「Aさん」とします)は四国出身の40代の男性、高校を卒業して地元で働いていましたが、田舎暮らしが嫌になり、25歳の時に大阪に出てきました。大阪では解体業の会社で働いていましたが、40歳の頃にリウマチを発症して働けなくなり、それからは自動車の窃盗等を生業にしていました。また、20代後半の頃から、覚せい剤にも手を出すようになりました。覚せい剤の特徴は中毒性が非常に強いことで、一度手を出すとやめられず、何度も使用を繰り返す人が多いのです。Aさんも、ご多分に漏れず、これまでに覚せい剤取締法違反で4回裁判を受けて、3回服役しており、最後に刑務所を出てから3か月も経たないうちにまた覚せい剤を使って逮捕されました。

私は、Aさんの国選弁護人に選任され、大阪近郊の警察署に勾留されているAさんへの接見を続けました。Aさんは罪は認めていましたので、裁判になれば実刑の判決が言い渡されるのは確実で、3年以上の懲役が見込まれました。そこで、私が警察で接見した際にAさんとする話は、今回を最後に覚せい剤と手を切れるのかどうかといったことが中心となりました。その点は、来る裁判でのAさんの量刑にも関わることでした。

しかし、Aさんは、これまでの4回の裁判で、その都度、裁判官の前で、もう二度と覚せい剤を使用しないと誓ったはずですが、それでも覚せい剤を使用し続けてきたわけですから、仮にAさんが「今回で最後にする」と言ったとしても、その言葉には説得力がなく、おそらく裁判官もそう思うでしょう。

そこで、私は、Aさんに、率直に、現在の心境を聞いてみました。そうしたところ、Aさんは、これまでの覚せい剤を通した人間関係がほとほと嫌になった、まだ間に合ううちに自分の人生をやり直したい、と言うのです。そして、どこで知ったのか、受刑者との文通を通して受刑者の更生を支援している団体や受刑者の就職先を紹介している雑誌などの名前をあげ、私に関係資料を集めて差し入れてくれるよう頼みました。

それらは私が名前を知らなかったものばかりでしたが、Aさんの熱心な依頼に応じて、そのうちの一つで、被疑者が勾留されている警察や拘置所まで面会に行き、被疑者の更生に向けて相談にのったりする活動をしているという団体に電話したところ、実際にAさんに警察まで面会に行ってくれることになりました。さらに、その団体は、出所後の犯罪者の自立訓練や生活訓練を行い、裁判で有利な証拠として使えるように、その団体が服役後の被告人の受け入れ先になることなどを報告書にして提出するというような支援活動も行っているということでした。団体の事業費は国からの補助や支援者からの寄付等でまかなわれているようですが、事業の性質上、金が儲かることは考えられず、純粋に薬物中毒者の更生を支援するという善意の目的で活動している団体のように見受けられました。

世の中に目を転じると、世界ではロシアのウクライナへの理由無き侵攻が続き、国内でも、中古車買い取り業者が顧客の車に故意にキズをつけて保険金を水増し請求したり、母親が自分の娘に食事を与えず入院させて保険金を受け取るなど、人間不信に陥りそうな悪意に満ちた事件ばかりがニュースに流れています。

しかし、その一方で、同じ社会の中には、このように、決してニュースで報道されることはないけれど、他人のために献身的に働いている人たちがいるということは希望をもたせてくれます。

Aさんには、自分の人生をやり直すために藁をも掴む思いで探しあてた団体につながり、その力を借りて何とか覚醒剤の呪縛から逃れられることを願うばかりです。そのために、私も、弁護士として、少しでも力になればと思っています。 (弁護士 井奥圭介)

(ニュースレター令和5年残暑号より)

井奥圭介

ニュースレター令和5年残暑号をお届けしました

| 2023年9月4日

こんにちは!ニュースレター担当の赤澤秀行です。

先日9月1日に弊所手作りニュースレター残暑号(第15号)をお届けいたしました。
弊所のニュースレターはこれまで当事務所とご縁のあった方々にお送りしております。うちに来てないよ、という方はどうぞご一報ください。

今回も、1〜3面に弁護士の巻頭コラム、囲碁コラム、法律コラムと、各弁護士の近況報告を掲載させていただきまして、最終面は僕が好き勝手に遊ばせてもらってます(硬い記事ばかりだと面白くないとうことで・・・)。意外と好評なんですよ(笑)

あと、ニュースレターでもご案内の通り、今月から当HPで終活に関するミニコラムを始めました。WEB版「相続アドバイザーひでさんの楽しい終活通信」です。日々僕が気になった終活関連の話題をつぶやくだけのコラムですが、ときどきは皆さんお役に立てる情報を発信できればと思ってます。気が向いたら読んでみてください。

次号は令和6年お正月に新年号をお送りする予定です。どうぞお楽しみに!

なお、「読者の広場」コーナーでは、投稿を募集しています。ニュースレターの感想やご意見ご質問どしどしお送りください。その他、俳句、川柳、似顔絵なんでもどうぞ!(*^^*)

赤澤秀行

数年ぶりに再開・再会

| 2023年9月2日

天神祭・船渡御

今年の5月に新型コロナの感染法上の位置づけが2類相当から5類に移行しました。それに伴い、日本中でこれまで自粛されていた祭りや大会行事が数多く再開され、街にようやくコロナ前の活気が戻ってきたなあと実感しています。  

僕の場合も、先日のお盆には、南紀白浜で4年ぶりに開催された花火大会を楽しみ、その前の7月にはこれまた4年ぶりに開催された天神祭の『船渡御』と奉納花火を経験する機会を得、船上での花火観賞を堪能させていただきました。

 

嵐電早稲田号前にて

また、早稲田の校友会である「三金会」も5月から本格的に再開され、記念行事として京都嵐山へ貸し切りの「嵐電早稲田号」が運行、車内にて飲めや歌えの大盛りあがりでした。

業務の方でも、FPの勉強会(SG)が自粛期間中のオンラインからリアル会場に戻ってきて久しぶりの旧交を温めたり、そのあとの懇親会も盛況。

趣味のほうでもやはり4年ぶりに「1万人の第九」に参加することになり、今月から森ノ宮会場でのリアルレッスンが始まります。

あちこちで、ここ数年で溜まっていた「人と触れ合いたい」という人間本来が持つエネルギーが一気に爆発しているような印象です。          

もちろん、世の中から感染症がなくなるわけではないので、今後も状況に応じた感染対策を続けていくことは重要です。

ただ、アメリカの哲学者エマーソンも『恐怖は常に無知から生ずる』と言っています。

過度に恐怖を煽るマスメディアなどに踊らされることがないよう、何事も「正しく理解」し、「合理的に行動」することが大事だと思う今日この頃です。

(ニュースレター令和5年残暑号より)

赤澤秀行

生涯百山登頂

| 2023年5月10日

今年になってから、仕事の関係が、時間的にはやや余裕ができ、少なくとも日曜日は出勤しなくてもいい状況が続いています。

そこで、何か新しい趣味でも始めようかと思い立ちましたが、全くゼロから始めるのも大変な気がした矢先、東京で司法試験の受験生活を送っていた20代の頃に軽登山を始め、“生涯千山登頂”を目指していたことを思い出しました。

これは、一生涯の間に地図測量用の三角点が置かれた山頂を1000登破するというものですが、結局、弁護士になってからの仕事の忙しさにもかまけて、1993年、33歳の時に、27回目の山行をし、登破した山頂が39となったところで挫折し、それから30年間、登山からは遠ざかっていました。

自宅の押し入れをさがすと、30年前に使っていた登山道具がダンボール箱に入れたままになっていましたので、それを引っ張りだし、とりあえず、自宅のある奈良の近場の山から山行の計画を立て始めたところです。今や、残された人生で千山はとうてい無理ですが、せめて百山には到達したいものです。

今後、どうなるか分かりませんが、もし昔の趣味の復活となりましたら、また、この事務所だよりで報告したいと思っています。(弁護士 井奥圭介)

 

京都での司法修習時代。比叡山山頂にて。(1986.1)

井奥圭介

踏んだり蹴ったり

| 2023年5月9日

季節は巡り青葉若葉の好季節となりました。前号からの3か月は、私にとって「踏んだり蹴ったり」の試練の時でした。

年末から1月半ばまでの3週間はコロナ感染での寝正月。幸い重症化を免れある意味では貴重な休養となったのですが、右足の踵に床擦れが発症した褥瘡により数か月にわたり疼痛で歩行に難儀しました。いくつかの調剤を経て現在は漢方塗薬で快癒の経過を辿っています。

もう一つは、3月29日朝のゴミ出しの際、なにかの拍子にスマホがゴミ袋に入り込んだらしく、昼前に気付いたが後の祭り。どこを探しても見つからず、やむなく次男の協力のもとスマホ購入店舗との電話やネットでの探索作業の結果、万博記念公園付近のゴミ処理場で焼却待ち、同日中に焼却の運命であることが判明しました。

ただ不幸中の幸いで、他人の手に渡り悪用される懸念がないことが分かりひと安堵。数日後代替品を入手できましたが入力データの一部の復元は無理でした。この間の1週間は外出中に家や事務所にも連絡ができず「束手無策」の毎日でした。

こんな経験をした老年の日々でしたが、これを教訓として些細なことにも万全の注意を怠らないよう努めたいと念じています。(弁護士 赤沢敬之)

 

自宅の庭にて(2023.4)

赤沢敬之

pagtTop