弁碁士の呟き

私と囲碁(47) 重慶での中日韓律師囲碁大会(下の1)- 最後の対局

| 2015年12月27日

  2004年(平成16)10月13日の大会最終日は、海琴酒店(ホテル)で午前の第10局を終えた後、市内の繁華街にある金源大飯店に会場を移し表彰式が行われる予定となっていた。

new_中国弁護士囲碁大会 116  最後の対局に勝てば勝ち越しとなる。残る力を振り絞って午前8時半対局開始。江西省族自治区代表との白番である。序盤から中盤にかけて両者堅実に自軍を補強しつつ均衡を保ったが、中盤戦で白が地合いを稼ぎ有利な形勢となる。7目半のコミもあり、どうやらこのリードを維持できそうだと楽観したのが悪く、終盤黒の激しい追い込みにドンドン白地が削られて行く。持ち時間も少なくなるし、中国ルールでアゲ石の数も瞬時に計算できない。ともかくも運を天に任せるしかないと臍を固め、薄氷を踏む思いで終局に至った。そして、審判員の白石の整地の結果、辛うじて半目を残すことができたのはまさに幸運であった。こうして待望の6勝目を挙げることができ、ホッと安堵の吐息を漏らしたのであった。

  戦いを終え、やがて午後の会場移動。バスにて市内中心地の高層ホテル金源大飯店に向かう。繁華街の中、近辺での高層ビル建築の工事音が激しく、バスや自動車の往来も頻繁である。午後2時、3階大宴会場に参加者、関係者が全員集合して始まった表彰式。団体戦優勝は海南省、2位浙江省1組、3位四川省1組、以下31チームの順位発表(日本、韓国チームは参入せず)と表彰の後、個人戦の成績優秀者の表彰が行われた。壇上には、全国律師協会などの役員のほか、かつて1980年代から90年代にかけて日中スーパー囲碁対抗戦で日本のトップ棋士をなぎ倒し「鉄のゴールキーパー」と謳われた聶衛平9段ほか何人かの高段棋士も参列していた。日本勢の成績は、大山薫さんと私が6勝、谷直哲さんが5勝、鬼追明夫、日野原昌、山田洋史さんが4勝、河嶋昭さん3勝であった。(続)

※下の2は新年1月3日に投稿の予定

赤沢敬之

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