弁碁士の呟き

私と囲碁(73)「やさしい詰碁練習帳」と牛窪9段

| 2024年8月16日

 令和3年(2021)の1月、牛窪義高9段から「やさしい詰碁練習帳」と題する書籍を贈呈して頂いた。

 同9段には直接の指導碁を受けたことはなかったが、三木正さん編集の「月刊碁学」シリーズの文庫版「碁の戦術」(2008.11)「碁の戦略」(2009.5)という名著を愛読し随分為になったほか、三木さんが私との対局後関西棋院で牛窪さんに講評して頂いた棋譜をその都度私に届けて下さったご縁があった。

 「盤上全取り」は新奇な構想の問題集で、盤上に配置された相手の白石を全部取ってしまう盤中詰碁と逆に白石が全部生きる手筋の問題が全部で230題あり、さらに初心者のための死活講座もある。これに加え著者撮影の奈良3山などの山岳風景や太陽の塔などの高層建築物の写真が並べられている。

 まさにヨミの訓練に打ってつけの問題集であり、石の急所や思わぬ手筋を学ぶことができる名著である。私も仕事の合間にページをめくり少しずつ問題に取り組んでいるが、「やさしい」だけでなく自分の盲点を知らされることがあり勉強になるので、友人たちにも推奨している。   (2023.12.16) 

赤沢敬之

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