弁碁士の呟き

私と囲碁(19) 「最新囲碁大辞典」への挑戦 – 三上の教え①

| 2014年11月2日

弁護士会大会のその後の模様は追々紹介することとし、昭和50年代から60年代にかけての私の囲碁遍歴を辿ってみたい。

20141103_182200-e1415007151460この時期、私は40歳台から50歳台前期に当たるが、今から思えば一番碁の勉強をした時期であった。それまでも、「棋道」「囲碁新潮」などの囲碁雑誌や「坂田の碁」(全5巻)、藤沢秀行囲碁講座(全5巻)などの解説書で勉強をしてきたが、昭和53年8月に一念発起、正森成二さんが手元に置いて勉強していたという鈴木為次郎名誉9段の畢生の大作「囲碁大辞典」に改訂増補を加えた「最新囲碁大辞典」が昭和52年に発刊されたのを機会に、これに挑戦することにした。なにしろ全3巻で2000頁を越え、2万図強の定石や変化図が網羅される辞典である。とても一朝一夕で読みきれるものではない。

そこで一計を案じ、1日1頁を日課とする長期戦の構えで臨むこととした。北宋の学者・欧陽脩の「三上の教え」である「馬上、枕上、厠上(しじょう)」のひそみに習い、トイレにこの大冊を置いて、赤青鉛筆で印をつけながら読むのである。(続)

赤沢敬之

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