弁碁士の呟き

私と囲碁(20) 「最新囲碁大辞典」への挑戦 – 三上の教え②

| 2014年11月9日

こうして始めた新たな挑戦だったが、朝の慌ただしい時間のことだからとても頭に刻み込むことなどできないことは承知の上。量を重ねるうちになんらかの棋理が頭の片隅に残れば良いとの漠然たる期待に基づく一種の「道楽」であった。そして、昭和53年8月から59年3月までの約5年半を掛けて、ほぼ予定どおり全3巻を読み終えることができた。碁盤に並べてゆくりと反復練習をすることもないので、殆どは記憶に残ることのない一過性の知識で、どの程度の効果があったかは分からないが、碁の形や筋の理解になにがしかの寄与があったかと思われる。

この習慣が身についたことに味を占め、その後も更に日本棋院発行の「定石大辞典(上下)」計2200頁、「手筋大辞典」1100頁、「布石大辞典」1100頁にも継続して挑戦し、平成22年2月にようやく一段落した。これほど「研鑽」したのに、棋力はさほど上がっていないのではと自問自答するのではあるが、これぞ「碁の楽しみ方」の最たるものであったと自己満足している次第である。(続)

赤沢敬之

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