日々の雑感 | 2019年2月1日
こんにちは!相続アドバイザーでFP・行政書士の赤澤です。
時代は令和時代に移ろうとしている今日このごろ。
今回は今年初めに行った、平成最後、そして人生初のタイ・バンコクのお話です。
昨年の中頃、とある会計事務所の会計士さんと話していたとき、今年のはじめにタイ・バンコクにある会計事務所や法人顧客を訪問するので、よかったら一緒にどうでしょう、というお話をいただきました。
私の職業の一つである行政書士という仕事は、その業務に「ビザ」「入管」というものがあります。
これは、日本に来られる外国人の在留許可の申請書類の作成をサポートしたり、申請の取次をしたりする仕事です。
おりしも、今年4月から改正入管法が施行されました。
この法改正に関してはいろいろと物議を醸していますが、外国人労働者が今以上に増えていくのは確実。
当事務所でも私が行政書士として入管手続きに対応していかなければなりません。
実は、私、海外旅行の経験があまりありません。
海外といえば、学生時代に訪れたハワイ、新婚旅行で行ったイタリア・・・そんなもの。
東南アジアはおろか、おとなり韓国・中国にも行ったことがありませんでした。
まあ、蒸し暑い気候に苦手意識があって、それほど関心がなかったのもありますが。。。
ただ、ビザのお客さんといえば、ほとんどが東南アジア・アジアの方々です。
それらの国の方々とお仕事させていただくのに、やはりお国を訪れたことがあるかないかでは、コミュニケーションの深さが全然違ってきます。
また、今まで興味がなかった国々も、百聞は一見にしかず、です。
なので、ここ何年かは、東南アジアの国々に一度は訪れてみたいと思っていました。
そんなときに、渡りに船のお誘いでした。
そこで、急遽、タイでビザを取り扱っている法律会計事務所のアポイントも追加してもらいました。
あわよくば日本の事務所との提携をお願いしようという目論見です。
しかし、そこで重大な問題が・・・
タイでのオフィス訪問、さすがにタイ語で話すことは無理ですが、少なくとも英語で事務所のアピールをしなければなりません。
まあ、当然といえば当然なんですが。
話が決まって出発まで3ヶ月足らず・・・
英会話などここ何十年もご無沙汰です。
もう、最後は出たこと勝負でいくしかない、と腹を決め、とにかく事務所案内を英文で作成して、想定問答だけを頭に叩き込んで出発したのでした。
早朝集合し、関空からキャセイ航空でタイへ。
途中香港でのトランジットを経て、およそ9時間でタイのスワンナプーム国際空港に到着しました。
時差の関係もあり、到着するとすでに夕刻。
さて、どこに晩ごはんを食べに行こうかと考えていると、会計士さんの携帯に一本の電話が。
会計事務所のクライアントで、タイで会社を経営しておられるYさんからでした。
どうやらバンコク滞在中、Yさんが私たちのアテンドをしてくれるというありがたい申し出のようです。
とりあえず、Yさんと夕食を一緒にしようということになりました。
夜7時頃、私たちが滞在するホテルで、Yさん、その秘書のAさんと待ち合わせ。
そこから歩いて行ける距離にある、バンコクでは有名なタイスキの名店「コカ」に案内していただきました。
初めて食べるタイスキは日本人好みの味でとても美味しかったのですが、それ以上にさらにありがたい申し出が。
なんと、秘書のAさんが私たちのオフィスめぐりに同行してくれるというのです。
Aさんは小柄でチャーミングなタイの女性なのですが、日本語も英語も非常に堪能。
私たちとは普通に日本語で会話してくれます(最初日本人かと思ったぐらいです)。
Aさんが私たちに同行して道案内から通訳までしてくれるということになり、英語でテンパっていた私たち(とくに私 d^^;)の思いもかけない救世主となってくれました。
しかも、Aさん、バンコクの市内観光にも同行してくれることになり、3泊4日の道中、私たちはYさんやAさんにお世話になりっぱなしの旅路となったのでした。
さて、タイの国土は日本の1.4倍で、その中心地バンコクの経済発展は著しく、オフィス街には巨大なビルが立ち並び、建設中のビルもあちらこちらに見られます。
今回訪れたオフィスはどこも広々として、近代的でおしゃれなオフィスでした。
驚いたのは、訪れた会計事務所や法律事務所のディレクターといわれる所長級の管理職の方が、全員女性だったこと。
我々外国人に応対してくれるスタッフも女性ばかりで、日本に比べても、かなり女性の社会進出が著しいと感じます。
ちなみに、Aさんによると、タイの男性は女性に依存する人が多く、いい加減で甘えただそうです(笑)(その辺、イタリアに似てる?)
ブルーワーカーはだいたい男性、会計事務所のような知的産業の担い手は女性が多い、ということらしい。
そんなこともあって、タイの女性も日本と同じように晩婚化が進んでいるそうな。
近代的なオフィス街を少し離れると、昔ながらの屋台が立ち並ぶ町並みがあり、黄金に輝く寺院があります。
夕方にもなるとたくさんの地元の人々や観光客でごった返すようになります。
屋台が並ぶ路地には、残飯を求めてか、巨大なドブネズミが走り回っていてびっくりします。
黄金の寺院と、昭和の頃の風景と、現代の最先端の街が混じり合った、なんとも不思議で熱い空間。
タイの人々は「マイペンライ(大丈夫大丈夫!)」と、楽天的で、社交的。それでいて仏教徒らしい謙虚さも持ち合わせています。
観光地のそばの小さな店で食べたトムヤムクン(旨かった!)のように、辛味と甘味と酸味と旨味がごった煮になったエネルギッシュな街。
そんな印象をタイ・バンコクに持った次第です。
タイを訪れた人が、タイの魅力にハマってしまう気持ちがとても良く分かりました。
私もまたいつか再訪したいと思います。
ワット・ポー(涅槃寺)の巨大な涅槃仏(寝釈迦像)前にて
さて、タイは終活とも深い関係があります。
実は、リタイア・セミリタイアしたあとの第二の人生をタイで過ごす人が年々増えているのです。
日本人の長期滞在国としてタイはここ数年、米国、中国についで不動の第3位。
昨年の統計で7万人を超えました(外務省:海外在留邦人数調査統計)。
「タイ ロングステイ」で検索してみると、その情報の多さに驚くかもしれません。
物価は日本の約3分の1。特にタクシーや電車バスなどの乗り物が非常に安い(写真はタイ名物のトゥクトゥク)。
食べ物は、上を見ればそれこそ日本と変わらない高級料理も食べれますし、屋台ですませば一食100円とかで間に合います。
温暖な気候、温和な人々、日本人好みの食べ物も多く、一方では先進国並の商業施設も増えてきています(写真は昨年開業のタイ最大級の複合施設アイコン・サイアム。日本の高島屋も7フロアにわたって店舗を展開)。
日本では年金だけで生活していくことが今後ますます厳しくなってくる現状もあります。
となると、第二の人生、あるいはもう一つの生活をタイで過ごそうという人が増えているのは当然といえば当然かも知れません。
実際、Yさんに夜の居酒屋に連れて行ってもらったときに、カラオケを歌う高齢者の方々がたくさんいらっしゃいました。
彼らはロングステイ中の方々とのことで、日中はゴルフを楽しんだあと、帰りにマッサージで体をほぐし、夜はお酒を飲んでカラオケを歌うという生活を満喫しているそう。
思わず、羨ましい!と思ってしまいました。
タイ国政府観光庁もロングステイを全面的にアピールしているようで、こんなパンフレットを出しています。一読すれば、あなたも思わずタイに足を運びたくなるかも。
タイ国政府観光庁公式サイトより(https://www.thailandtravel.or.jp/)
というわけで、タイ・バンコクに初めて訪れた感想。
「行って良かった~!」
まさに百聞は一見に如かずですね。
さすがに初めての訪問でタイのオフィスとの提携話、とまではいきませんでしたが(笑)、何事もチャレンジです。
他方で、タイで働く人々や、そこで暮らす人々との交流を通じて、異国文化の理解を深め、今後の業務の糧にするという目的は少しは達成できたかなと思います。
この調子で、他のアジアの地域も訪れてみようと思う今日このごろです。