事務所便り

平成から令和へ

| 2019年5月23日

旧事務所のホワイトビル

昭和が平成に変わった1989年、私は29歳、弁護士3年目で、“独身貴族”を謳歌していました。それから30年、一番の身上の変化は、結婚して、子どもも3人出来たこと。一番上の長男はもう社会人になりました。子を持って初めて分かったことも多いように思います。

そして、弁護士生活は33年目に入りました。平成の30年間は弁護士として過ごしたことになります。初めの頃は、ただひたすら依頼を受けた事件を終わらせるのに四苦八苦でしたが、弁護士という職業を30年以上続けてきて、奥の深い仕事であるとの感がますます強くなっています。

弁護士の仕事は、少々ニヒルな言い方をすれば、人同士の喧嘩の肩代わりという側面もありますが、それだけではつとまらない。その紛争をどのように解決することが、依頼者はもちろん、場合によっては事件の相手方を含めた全ての関係者にとって一番よいのか、そのことを考えていないと、いい仕事はできないように思います。

平成の間に事件の依頼を受けた依頼者の方々もかなりの数になります。事件の依頼を受けるということは、その人の人生になにがしかの関わりをもつということ、事件が解決することにより、その人の人生が良い方向に向かったのであれば、弁護士として喜ばしいことです。

時代はこれから令和に向かいます。新しい時代の到来とともに、法律紛争はますます複雑になることが予想されます。しかし、人と人との関係の基本は変わらないはず。したがって、弁護士に必要とされることの基本も変わらないはずです。気持ちを引き締めて、新しい時代を迎えたいと思います。

(ニュースレター平成31年春号より)

井奥圭介

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