事務所便り

南海トラフ地震と白浜行き

| 2024年9月20日

 今年もまた、恒例の家族一同9名(私夫婦、子2人と配偶者1人,孫4人)が8月8日から13日にかけて、白浜の会員制マンションに出かけた。

 昨年は紀伊半島を目指し北上中の大型台風とのせめぎあいで運よく白浜に到着できたが、今年はさらに思いがけない事態に遭遇した。出発当日、宮崎県でマグニチュード7.1の地震が発生、気象庁が「南海トラフ緊急注意情報」を発信したことにより、翌9日から1週間、白浜行き特急くろしおの運転中止、海水浴場の閉鎖、花火大会中止を決定されたのである。

 現地で情報を聞いたところ、多くの観光客向けの食堂や店舗は閉店とのこと。折角来たのに老齢の私には温泉でゆっくりできればほぼ満足だが若者は海にも行けない。食事はどうするかなど思い迷わされた。
 

もっとも、白浜の2泊3日、マンションの来客は少なくのんびりとでき、若者たちもプールや浜辺近くに遊びに出かけそれなりに楽しんでいたようだ。高台の建物のベランダから一望できる白良浜の展望は快晴のもと実にゆったりとした優雅な風景である。海辺に人はなく街中もひっそりと静まっている。

部屋のベランダから無人の白良浜を望む

 さて問題はどのような方法で新大阪まで帰るのか。しかし、幸いなことに次女の夫が深夜自動車で駆けつけてくれた。これで高齢者は車で帰り、若者たちは鈍行で和歌山まで乗り継げばほぼ2倍の6時間程度で夜には到着できる。

 こうして10日午後、一同は二手に分かれ、私たち夫婦は車で一路大阪を目指した。高速道路に入ると前方には車の影もない。おそらく情報を早く知った多くの外人客などが急遽前夜に白浜を去ったためではないか。車は順調に進み約3時間で自宅に帰ることができた。そして、電車組はその後3時間の後ようやく到着したのであった。

 2年連続でのハプニングに地球環境の恐るべき悪化を思い知らされ、人類の未来のため如何になすべきかを考えさせられた猛暑の夏である。 (弁護士 赤沢敬之)

(ニュースレター令和6年残暑号より)

 

赤沢敬之

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