事務所便り

カテゴリ:日々の雑感

嬉しい年賀状

| 2015年1月6日

新年おめでとうございます。本年もどうかよろしくお願い申し上げます。

例年にない厳しい寒さと降雪の中で迎えた正月休みを終え、今日からいよいよ仕事始めです。老いてなお益々の意気込みで仕事と趣味の囲碁に励みたいと願っています。

今年も年頭には多くの方々から心暖まる年賀のご挨拶をいただきました。たとえ1年に1回の交信であっても、あゝあの人は今も元気に過ごしておられると面影を想い浮かべることができるのが年賀状の大きな役割ではないでしょうか。

この正月に届いた年賀状の中に、とくに嬉しい便りがありました。今から18年ほど前に相談を受けたある女性からのものです。当時別居中の夫が大阪から上京して、女性の実家に無断で侵入し、小学入学前の長男を不法に拉致したことから子の奪い合いとなり、その後離婚訴訟に勝訴したあと和解により解決したのですが、その頃事務所によく同行していた4歳の可愛いらしい「長女が昨年大学を卒業し中学校の英語の先生になりました。本当に安心しました。全て赤沢先生のおかげです。あの時私達を支えて下さりありがとうございました」との添え書きがあったのです。

女性とはその後も賀状の交換はしていたのですが、女手ひとつで苦労して育てたあの女の子が今や中学校の教壇に立つとはと尽きぬ感慨を催したものでした。そして、これほどの感謝の思いを伝えていただいたことに、新しい年の門出にふさわしい贈り物であり、これこそ弁護士冥利に尽きるものと感動した次第でした。

赤沢敬之

最近事務所で回し読まれている本-司法占領-

| 2014年6月16日

現役弁護士である鈴木仁志氏が書かれた小説、「司法占領」。2002年に書かれた小説ですが、最近その文庫版が事務所で回って来たので読んでみました。

2020年の近未来。そこでは日本法による司法はすでに崩壊し、米国法と外資ロー・ファームによる司法の占領が完了していた。ドン・キホーテの如く巨大ロー・ファームに一人立ち向かう若手弁護士の行く末は・・・?

近未来の日本の司法業界を舞台に展開するリーガル・サスペンス。2004年のロースクール発足前に書かれたものなのでやや現実との乖離も見受けられますが(2020年のロースクールはアホでも入れるし、卒業できればほぼ司法試験に受かるという設定など)、弁護士大増員で激動している業界を見ると、全体の方向性としてはさほど間違っていないのではと思います。むしろ、米国の年次改革要望書に従った司法制度改革や外弁法の制定・度重なる改正、そして今般のTPPの問題をみれば、2014年現在、著者の言うような外資による司法の占領が既に相当程度進んでると言っても過言ではないかもしれません。

重いテーマを扱ってる割には読みやすく、話も単純なので一両日あれば読めてしまいます。司法に興味が無い人でもお手軽に読めて、新たな視点を開いてくれる本。司法関係者、士業に携わっている人ならなおさらに面白く、ある意味背筋を寒くして読めると思います(笑)。おすすめです。

赤澤秀行

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